昔、知人が教えてくれた本なんだけどブルーバックスから出てる竹内外史氏の「集合とはなにか」
って本の紹介。
なかなかおもしろい本なので是非興味のある人にはお勧めしたい本。
ブルーバックスっていうと一般向けの理系テーマの文庫本で有名だけど、
結構著者によって難易度や専門性にばらつきがあって
内容が薄い本やトンデモな本もあれば、やけに突っ込んだ話題を出している本もある。
それでこの本は後者にあたる。
それでこの本のタイトルは集合とは何かだけど、メインはどちらかというと数学基礎論だと思う。
この本は大学の一般教養とかの集合論みたいに集合の性質を考えるとかじゃなくて
もっと根源的な部分、公理や集合の定義やそれが持つ意味のほうがメイン。
大雑把に読んだけどその内容を書くと
まず1章で論理について簡単に説明があってそこから集合を定義している。
2章は濃度という概念(集合の元の個数を拡張したような概念)を説明し、
そして無限の濃度にも色々な種類があるということ、
そしてラッセルのパラドックスから生まれた集合論の危機
そしてその解決から生まれた数学基礎論について触れている。
3章はその解決法として今数学で主に使われているZF公理系についての説明。
4章は連続体仮説、それから様々な論理、つまり古典論理の枠組だけでなく量子論理、直観主義、さらにはトポスにも少し触れている。
5章は今後の展望についての作者の考え
特に2章以降はおもしろいので興味がある人は楽しめると思う。
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