線型代数の説明をした文書でも作ってみようかと思ってちょっとだけ書いてみた。
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全然ベクトルの話にはなってなくてとりあえず説明するに当たって数学の基礎的なことをまとめて書いてみた。
論理からスタートしてもよかったんだけどめんどくさくなったので飛ばした。
あとベクトル空間を定義するにあたって、よく線型打数の教科書にあるように8つくらいの条件を列挙してもいいんだけど、ああやるのも何なので1つずつきっちりやっていきます。
ベクトル空間というのは要するに加法と呼ばれる演算とスカラー倍とよばれる作用をもつ集合のことをいう。
いいなおせば集合Vと体Kがあって(体という概念を知らなければここでは実数全体の集合か、複素数全体の集合と考えてください)
可換群Vがあってそこに体Kからの作用がある構造だ。
加法というのは通常可換群の演算のことをさす。
群ってのは集合とその集合で閉じた演算とセットで定義される。
集合Vと、Vで閉じた演算+を考えると、
(V,+)が群であるというのは
1. a + (b +c) = (a+b) +c (結合則)
2. a + 0 = 0 + a = aとなる0という元が存在する (単位元の存在)
3. 任意のVの元a に対しa + (-a) = (-a) +a = 0となるVの元(-a)が存在する (逆元の存在)
を満たすものをいう。以下群(V,+)をVだけで表記します。
そして可換群というのはさらに
4. a + b = b + a(交換則)
を付け加えたもの。
線型打数の教科書のベクトル空間の定義に出てくる最初の4つの条件はまさに可換群の定義に他ならない。
残りは作用の定義になっている。
V -> Vが準同型写像ってのはf(x + y) = f(x) + f(y)となる写像のことで
細かくは書かないけど要するに体Kの元の形をした準同型写像たちがあるわけだ。
たとえば1 : V -> V という写像や2 : V -> V の写像がある。
そしてその写像たちにはKにおける演算が入っている。
たとえば上の1と2という写像には 1 + 2 : V -> Vは3:V -> Vという写像と等しくなる。
こんな感じでKの形をした写像たちがあるわけだ。
あと線型代数の教科書とかでベクトル空間の低意義に1v = vみたいな定義があると思うんだけど
これは1は省略しているわけではない。
写像1:V -> Vにおいて1 = idであると定義しているわけだ。
ベクトル空間の定義は結構イメージしやすくて
感覚的には原点があって足し算における引き算のようなことのできる演算が定義された集合の上に体Kの形をした作用たちが存在しているようなものだ。
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